【着物再生】普段着の着物を受け継ぐために知っておきたいこと『はじめの2歩目-種類と季節を知る』

【着物再生】普段着の着物を受け継ぐために知っておきたいこと『はじめの1歩』 続きます。1歩踏み出して下さって有難うございます、さあ着たい着物をもっと知っていきましょう楽しい次の2歩目へ進みます。まずは【着たい着物】に分けて頂いたので、着たい着物がどういう種類かを知って頂いて次の準備がしやすいようにと思います。

1.普段着の着物の種類

礼装の着物は見てすぐに振袖や黒留袖とわかるので困らないです。普段着の方がどうしたらよいものか迷われると思います。そこで簡単に2種類の説明です。

1.普段着の着物の種類 小紋

色柄はいろいろありますが、写真のように同じ模様を繰り返し反物に染めた着物です。お洋服のワンピースのような感じで楽しんで頂くイメージかと思います。普段着のおしゃれを楽しむものなので、大人っぽいものから可愛いもの色々。受け継いでいる着物やご両親が誂えてくれている着物なら、似合うだろうと思って選んでくれているので、その想いを感じて頂くといいなと思います。

1.普段着の着物の種類 紬

同じ普段着の仲間『紬』と言います。ざっくりした生地感です。先に絹糸を染めて、染めたいとで文様がでるように織っている織物です。お洋服ならキレイ目のおしゃれデニム感覚。色柄はもちろんいろいろですが、織りで模様をえがくのでモダンな印象のものが多いので、初心者さんには取り入れやすい種類の着物と思います。

2.普段着の着物 季節

着物にも季節があるので、種類が大まか分かったら次は着る季節も知っていてください。着物は裏地があって春・秋・冬に着る【袷着物】。裏地のない1枚の着物で初夏と初秋に着る【単衣着物】。裏地のない1枚の着物で夏に着る【単衣着物 透け感のあるもの】の3つのパターンに分かれます。お持ちの着物の裏地のあるなし、裏地のない中でもさらに透けているもの。という見方で季節に応じて分けて頂きます。

  1. 袷着物 :春・秋・冬
  2. 単衣着物:初夏・初秋
  3. 単衣着物 透け感あり:夏

グラフの吹き出しにも書きましたが、こんなに日本の気候がアツくなくて安定していたころはどの着物をいつ着るか、衣替えのルールがありました。守っていれば快適に着物が着られた良き時代です。ところが!ここ数年は何でしょうか、もう暑い時期がながくて暑さもうなぎ登りです。そんな時に昔の衣替えを流用するのはもう無理です。とにもかくにもご自身の体感で着るものを決めて頂いて快適さを優先下さい。お任せが一番困るかもしれません。ただ4月に暑いから透け感ある着物をきるよりは色柄を工夫して透けてるより涼しげに見える工夫をするとか、おしゃれの見せ所と思って、色々チャレンジしてみるのはいかがでしょうか。

あくまでも普段着の着物は自分がルールでよいですが、一緒にいる方周りの方に、素敵ねって言われるのが嬉しいですもの出先のTPOを考慮するのは大人のたしなみで、雰囲気にあう着物を選べるようになるともっと素敵!さすがオトナの女性!というところを磨いてかっこよく参りましょう!

 


これでお手持ちの着物は、小紋か紬か、季節はいつのものか、判断いただくことはできましたでしょうか。本当はそれぞれ染め方やどこ産地で何が特徴かとか色々ありますが、まずは簡単に判断して進めることがだ時なので種類が分かれば、あとは小物が揃っているかも確認していきましょう。

 

3.普段着の着物 一式の小物が揃っているかチェック

【1.長襦袢の半衿】←以外と盲点です

留袖の下に着る長襦袢。大事なチェックポイントがあります、半衿がついているかの確認です。ついてなかった、または洗ってない古いままの半衿がついてる場合など、付け替えることができる部分です。着物にあう半衿を選んで半衿をお付けすることができますのでご安心下さい。

【2.普段着の着物 一式】

  • 着物
  • 長襦袢(ながじゅばん)←半衿がついてるかチェック
  • 半衿(はんえり
  • 袋帯
  • 帯締め(おびじめ)←帯の周りにつかう小物で帯の真ん中で結ぶ紐
  • 帯揚(おびあげ)←帯の周りにつかう小物で帯の上側、着物との間に入れる生地
  • 草履・バッグ←古いものは底が取れないか必ずチェック。長期保管で接着のりが弱くなってはがれることがあります。これは草履だけでなく長期保管してる靴も同じように底が外れます

着付け小物

  • 肌襦袢(はだじゅばん)または肌着・きものスリップ ←上下に分かれてるものや、ワンピースタイプがあります
  • 衿芯(えりしん)←薄いプラスチックな素材で半衿の中に入れて、衿元をシュッとさせます
  • 足袋(たび)←履いた事がない方も多いので、全然難しくはないですが履き方は着付けの方に聞いてくださいね
  • 腰紐(こしひも)←着付けするための必須の小物、紐で、素材は絹やモス(ウール)など色々あります。くちゃくちゃだと心もとないので、そんな状態ならアイロンを
  • 伊達締め(だてじめ)←腰紐とおなじく着付けするための必須の小物、腰紐と違って平べったいタイプ。素材は絹やゴム、化繊のものもある
  • 帯枕(おびまくら)←立体的なのでパッと見て分かると思うアイテム、小さい枕です。帯の土台にします。
  • コーリンベルト(きものベルト・着付けベルト)←腰紐にゴムを入れてベルトにした改良したアイテム。腰紐だけで着付ける方もいらっしゃるのは、学んだところの方法なので言われてるなら用意しましょう
  • 前板(まえいた)←帯をしっかりさせるためのアイテム。平べったい板状のもの
  • 補正パッド・フェイスタオル←タオルの枚数は着付けする方にご確認下さい

※ご自分で着られるのが一番良いですが、着つけて頂くのであれば着付けして下さる方にご確認をお願します。上記は基本的に必要なものをご案内していますが、着せる方の着付け方で腰紐や補正のタオルなど数が変わることがありますので、あくまでもご参考としてください。

 

ここまでで普段着の着物で着たいものを選別いただいて、その中で種類を知って頂きました。持ち物までチェックできて素晴らしいです!お疲れ様でした!こうやって仕分けをしていくと、自分のことを想って用意してくれていた普段着の着物。こんなに可愛い色がある!とかご両親の趣味が反映されてるとか、思う事が色々あったのではないでしょうか。想いをこめたバトンを受け継いでいく、着て楽しむことができると、もっと感じ事思うことが深くなって着物とともに過ごす時間が嬉しい時間になると思います。だからこうやって仕訳けたり、必要なものを確認している時間は、面倒な事ではなくて幸せの準備です。ゆっくり焦らず進めていきましょう。

このまま全部着られるなら、着付けてお出かけして頂いてぜひ楽しい時間をこれから過ごして下さい!はじめての着物でお出かけはドキドキすると思いますよ!大人になってドキドキすることがちょっと減ってるという方、ぜひワクワクドキドキの楽しい世界に飛び込みましょう!

もしこのまま着れるかな?心配という方は次の記事で【サイズ確認】【状態の確認】【メンテナンスが必要なら何をすべきか】のお話へ続きます。着物を着る楽しい未来への道を一緒に歩いてゆきましょう。着物はゆっくり進んでも早く進んでも一緒に歩いてくれますので、安心してマイペースで大丈夫です。私もできるだけ分かりやすくお話していきますのでぜひお付き合いください。

 

最後に、ご判断が難しいとお考えでしたら、よろしければお声がけ下さい。ここからはそのためのお時間についてのご案内です。

カウンセリング

家族の嬉しい日を彩ってきた着物がお手元にあるけどどうしたものかお困りではありませんか。色々分からないことが多いと思います。もしよろしければ、ご相談下さい。カウンセリングいたします。そのためにお時間をとっていただきたいので、お手数をおかけしますがご予約くださいませ。カウンセリングでは、受け継ぐ喜びをお手伝いできますように分かりやすくお話を心がけております。ご遠慮なく色々ご質問下さい。

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受け継ぐことができますように、はじめの1歩はどうしたらよいか考えてお話していますが、私の言葉足らずなこと分からいにくい事、至らぬことがありましたら、どうぞご遠慮なくお声がけ下さい。受け継ぎたい着物を受け継ぐことができるように、尽力いたします。人生の中の宝物のような嬉しい瞬間、ご家族皆様の幸せの瞬間が笑顔いっぱいの時間でありますように。そこに受け継がれた着物があることを願っております。