着物にまつわる加工
着物のお手入れや仕立てと同じように、紋入を入れる職人や染めの職人と共にお仕事しています。お誂えの際の紋入れや白生地から染める色染めはもちろん、お持ちの着物の紋入れ替えや染め替えなど承っております。
着物にまつわる加工の項目
- 染め
- 柄足し
- 修理と補修
紋入れ
染め紋・刺繍紋。反物への紋入れや仕立て上がりの着物への紋入れも受たまっております。
紋章上絵師
紋章上絵師とは着物などに家紋を入れる職人のこと。紋は形は同じですし一見違いが分かるものではありませんが、描くものの腕によって出来上がりがそれぞれ違い個性があることをご存じでしょうか。
何十年も紋を描く職人の技は小さな世界で大きな仕事をしています。驚くのは、紋はすべて頭に入っていて複雑な形も小筆とコンパスのようなもので精密に描かれます。この伝統の技ができる方がどんどん少なくなっていますが今もなお己の技を磨く素晴らしい職人がが活躍しています。ぜひこの伝統の技を感じて頂きたいと思います。
紋章入絵師の仕事の様子です。細かな作業を丁寧にされてる様子が伝わるでしょうか。
お仕事の一例
紋の入れ替え
- 紋入れ替え前 五三の桐
- 紋入れ替え後 菱紋
刺繍紋
紋を入れたいけどもあまり目立たせたくない方にオススメです。刺繍紋は糸の色で雰囲気が変わります。白色はハッキリします(写真左)。生地と共色は生地に馴染みますので目立ちません。(写真右)
染め
着るたびに嬉しい。大好きな色をまとえる喜びはずっと続きます。想いを職人さんに伝えて美しいお色の着物へ染めます。
染め職人の仕事
寒い日も暑い日も冷たい水と熱湯を使う大変なお仕事です
- 生地の色を抜く脱色(染替えの際に必要な作業です)
- 染料を調合し熱湯に入れる
- 生地を入れる
- 生地を巻き上げる
- 何度も巻き上げていくとどんどん染料が生地に染まっていく色の仕上がり具合を確認する
染めのビフォーアフター
画像をクリックして頂くと大きい写真でご覧いただけます。
白生地の染め
お家にあった古い反物。古いために真っ白ではなく、黄ばみが出てきていました。糸に少し茶色になった部分もあるので一旦真っ白の状態に綺麗にしてから、ご希望のお色に染めています。古い反物も生かせます。
- 染める前 古い白生地の反物
- 染めた後 きれいに染まっています
- 染める前 古い白生地
- 染めた後 きれいに染まりました
- 染める前 古い白生地はあちこちにシミ・カビと黄ばみがありました
- 染めた後 えんじ色のこっくりしたいい色になりました
- 染める前 古い白生地 黄ばみが強くカビもありましたあり
- 染めた後 キレイなロイヤルブルーに
色紋付の染め替え
赤色がとても綺麗な紋付着物。目立つお色ではありますので着やすいきれいな色への染め替えをご依頼頂きました。赤から象牙色へ染め替え。こちらの例はかなり赤色がうまく色が抜けた珍しいケースです。全部の赤色が淡い色にできるわけではなく、赤色は色を抜いても残る可能性が高いので、濃い色に染め替えをお勧めすることがほとんどですが、写真のようにきれいに出来上がると嬉しいものです。染め替え後はお仕立てをして納品させて頂きます。
- 染め替え前 赤色の紋付着物
- 染め替え後 赤色から象牙色にナチュラルな紋付着物に
道行コートの染め替え
朱色の道行コート、明るすぎるので着やすくしたいというご希望でした。梅のような柔らかな色に少しグレーの落ち着いた色も感じられる優しい落ち着いた色へと染め替え。
- 染める前 朱色の道行コート
- 染め替え後 柔らかな色に
長襦袢の染め替え
ピンク色に朱色のあでやかな菊の柄の長襦袢。年齢を重ねて、もっとシンプルな感じにしたい。というご希望でした。赤色は色抜きでとれにくいお色ですが、しっかり色抜きをして今回も上手に色が抜けています。柄の部分も残るかもしれないと思っていましたが、柄の朱色も色が抜けました。真っ白になったところで、ご希望のお色に染めます。染上がりをお仕立ていたしました。一番はじめの長襦袢は、胴裏(裏地)がついていて、胴裏が変色していましたが、お仕立ての段階で胴裏はつけないでお仕立てしています。新品のような綺麗さと今どきの淡いキレイなお色になってお喜び頂けました。
- 染め替え前 ピンク色と朱色の柄
- 染め替え後 しっかりピンク色と朱色がとれて、ご希望のお色に染まりました
- お仕立て上がり
小紋から小紋への染め替え
ピンク・赤・緑の色が華やかな可愛い小紋の着物。年齢を重ねて着るには抵抗があるとのご相談で染め変える事に。難しいのは色無地と違って柄と色使いが多い事・どこまで色が抜けるかはやってみないと分からない事。その上でご了解頂いての染め替えです。色を抜いた段階では色はしっかり抜けておりますのでよかったですが、葉っぱの線は残りました。この残った線を隠せるような染めをする必要があります。ご希望が小紋への染め替えでしたので、線がわからない範囲にはなりますが、お好みの柄をお選び頂きます。柄がとても好みだったとの事で何度もこの染め替えはよかった。とお声をかけて頂けてお喜びいただけた事が何よりです。
- 染め替え前 ピンク色や緑など鮮やかな色の柄の小紋
- 染め替え前 柄のアップ
- 色抜き後 色はきれいに抜けましたが、左の画像にある葉っぱの線が残りました
- 色抜きした状態から染められる柄を選びます
- 染め替え後 残っていた葉っぱの線は全くわかりません。モダンで印象的な反物になりました
上から色をかける
柄や染めている状態を色を抜かないで、上から色をかける方法があります。地色・柄を生かせるよう色選びにはかなり慎重ですが素敵に仕上がるとより一層の喜びがあります。
- 染める前 朱色に黄色や黄緑色の明るい小紋
- 上から色をかけるた仕上がり後 シックなえんじ色に近いお色に
- 上から色をかけたアップです。下の生地は着物にあわせて八掛を染めました。
- 染める前 まだまだ着れそうですが年齢と周りの方のバランスを考えて落ち着いた色をご希望でした
- 上から色をかけた仕上がり 柄を生かして抹茶色の仕上がりになりました
白生地(真っ白の反物)を自分色に染める楽しみ・今お持ちの着物を違う色に染めかえる楽しみは、それぞれ違った楽しさがあります。
新しい色はこれから自分がどんな色を着こなすか考えながら色選びしていきます。また今お持ちの着物を染め変えるときは若い時の可愛い色からこれから大人の女性として美しく着られる色を考えていきます。元の色の兼ね合いもあるのでどれだけのことができるかも一緒に考えますので、着物ならではの深い色選びの世界が広がっています
おうちに白生地が眠っているなら、ぜひ好きな色に染めてみませんか、また染め替えという方法で、お手持ちの着物をいかしてみませんか。着物がより深く楽しめると思います。そして染めを通じて職人さんの技を感じていただけたらより嬉しいです
その他加工
着物は色々な方法で、修理・補修することができます。また柄を足してより美しくすることも可能です
刺繍直し/糸直し
刺繍糸は経年劣化によりほつれてきます。その部分を補修する刺繍直し。刺繍が取れてしまった振袖のなおしをいたしました。ほつれた糸をきちんと止めて、きれいになっています。
- 修理前
- 修理後
- 修理前
- 修理後
- 修理前 帯のほつれ
- 修理後 帯のほつれをカットしてこれ以上ほつれないように止めています
補修はいろいろなケースがあります。写真以外にもシミを隠す柄足しも効果のある方法です。大きさや難易度に応じて金額が異なるため、個別に対応させて頂いております。いろいろな方法で直すことができますので、お困りのことがございましたらぜひお気軽にご相談下さいませ。
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