【着物 お仕立直し】大切な着物の裏地にカビを見つけたら

大切な着物のカビ問題

大切な着物にカビが出ていたら、ショックですよね。残念な様子でご相談頂いてお気持ち分かります。でも!大丈夫です!というお話です。

今日もお客様にご協力頂きまして、写真とともにお仕事内容をご紹介いたします。掲載許可を快諾いただけて本当に有難いです。お客様の優しいお気持ちがこのブログを通じて、ご覧くださってる皆様の知識になって、カビを見つけたらあきらめないで助けることができる事を知って頂けたら一番嬉しいです。

 

ご依頼時の状態 胴裏のカビ

紺色に可愛い小花が咲く愛らしくも大人の優しさのある素敵な小紋の着物。生地も良いのでこれからどんどん着られるんですが、でも開けてみると胴裏が…この感じがショックですよね。ギリギリ表の着物生地までは出てないので大丈夫です。間に合います。ちょっとだけ袖とかに白いカビが出だしてたのでタイミングとしてはギリギリかもしれなかったな。と思っています。本当にこのタイミングでご依頼頂けて良かったです。ここからお仕立て直しで美しさを取り戻していきましょう!

お仕立て直し カビ胴裏

ご依頼品 胴裏のカビ

ご依頼品 胴裏のカビ

ご依頼品 八掛

ご依頼品 お袖など小さい白いカビ(黄色のシール部分)

ご依頼品 袖口の薄汚れ

お仕立て直し 洗張り

お仕立て直しでは、着物を解いて、反物の状態に戻してから洗います。しっかり水を通して洗い、カビを取ります。水を通すことで生地感も張りがでて長年の疲れた感じがとれて、くすみのようになってしまった薄い汚れた感じもキレイになっていきます。きれいになったら、次はお仕立てです。

お仕立て直し 洗張り後

洗張り後

お仕立て

お仕立てでは、サイズの面でもサポートしていきます。裄が気になっていたという点は、生地の幅いっぱいまで出して裄丈を出します。裄は目立つので短いと気になりますものね。

ではお仕立て上がりの写真です。

お仕立て後 胴裏は新しくきれいに

お仕立て後 八掛の美しさが戻ってきました

お仕立て後 カビがとれました

お仕立て後 袖口の薄汚れはきれいに

 

キレイになって、生地も生き生きしています!ご依頼いただいた時の残念なお気持ちも、お仕立て上がりの着物を見て晴れ晴れした表情でお受取頂いてて、この瞬間が本当に嬉しいです。お客様の大切な受け継がれた着物を長く美しくお召いただける。と思うとお仕立て上がりの着物を見るたびに微笑んでしまいます。お仕立て直しでここまでキレイを取り戻せる、そしてサイズまで希望がかなうという着物だからこその魅力。少しでも皆様にお伝えできましたでしょうか。

今回は通常の3工程でできましたが、着物の状態や種類など色々な条件でお仕事内容は異なります。私の着物はどうなんだろう?と思われましたら、ご相談だけでも大丈夫です。カビがあるから・・・と簡単に諦めないで下さい。できることがあるかもしれません。キレイになった時に幸せな気持ちや、ほっとしたり、また次の代へと橋渡しができたりと可能性は広がるかもしれません。

それは職人が皆様の着物を美しさを引き継げるように日々頑張ってくれてるから。職人ともどもお客様の着物を生かせるように努めております。ちょっと箪笥をあけてみませんか。着物は皆様に着て頂ける日を待ってます。

お仕立て・お仕立て直し・お直し・リフォーム