【シミ抜き】タンスで長期保管していてシミがでた名古屋帯の修復

大事にしていた帯の修復

 

大事にしていた帯、タンスの中に閉まっていた帯を久しぶりに開けたら…

大事にしてたのに、カビが出てることはありませんか?

お手元の帯は、『ご両親が嫁入り用に用意してくれていた』『おばあちゃんから受け継いだ』『若い時に購入した』色々あると思います。すべては、着る日のために。着るときにかわいく素敵でいてほしい気持ちも込められています。

そんな大事な思いを持った着物や帯に何かあるとショックですよね。

この記事では、大事にしていても、かびがでて閉まって、ショックだった名古屋帯を修復して再生できたお話させていただきたいと思います。かびがいっぱいでも復活した姿をご覧いただけると、何かお気持ちに届くと嬉しいです。

 

名古屋帯 ビフォー

名古屋帯のお太鼓部分

ここは一番目立つ所です

名古屋帯のお太鼓部分の裏側です

あちこちのカビ

名古屋帯の胴回り部分、前

名古屋帯の胴回り部分の裏側

 

名古屋帯の胴回り部分

 

名古屋帯の胴回りの柄のないところ

 

名古屋帯 洗う工程

解いて、中にある芯(形を維持するための少し硬めの生地)を取り出して

生地の状態にしてから

洗いました

カビとりもしてすっきり綺麗に

 

 

 

名古屋帯の仕立て上がり

綺麗になったのは、生地の状態なので

そこからもう一度

中に芯(形を維持するための少し硬めの生地)を入れて

名古屋帯の形に仕立てます

 

完成です

 

すっかり綺麗になって修復できました

1.解く

2.洗う

3.カビをとる

4.仕立てる

この工程で出来上がっています

全部綺麗にできないこともありますし、なかったことにはならないですが、お使いいただけるようになるとか色々細かなところをお客様と職人さんとをお繋ぎして、善処しております。

 

お客様のお声

写真の掲載の許可いただくときに、お客様のご感想を伺いました。『私はもう使うことはないけど、孫に譲るにの綺麗にしたかったから、綺麗になって嬉しい。こんなに綺麗になるとは思わなかったので職人さんにお礼を言っておいてね。』とのお言葉をいただきました。

ご両親に購入いただいた帯だそうです。お孫さんに使っていただけるように、ご両親の思いを三代先に渡せるように。そんな優しい愛情を持ってご依頼いただいています。そんなあたたかいお気持ちを、職人の技で次世代に受け継ぐことができるようになっています。嬉しいお仕事です。きっとお孫さんも、すぐにはわからないかもしれませんが、おばあちゃんが、おばあちゃんの両親から買ってもらった大事な帯を受け取って、受け継がれる喜びを感じていただける日が来るように思います。皆さんはどう思われますか。どう感じられましたでしょうか。

 

こういう技術があること、着物や帯はこうやって再生できること、大事にできたときに嬉しい気持ちになっていただけること。いっぱいの嬉しいことが生まれます。職人が素晴らしい仕事をしていることも含めて、知っていただけると嬉しいですし、お役に立てましたら幸いです。

最後まで読んでくださって有難うございます。

 

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