【着物 修復】“大阪くらしの今昔館”企画展 展示振袖の修復
大阪くらしの今昔館 企画展
大大阪時代に咲いたレトロモダンな着物たち
~北前船(きたまえぶね)船主・大家(おおいえ)家のファッション図鑑~
今日は修復のお仕事のお話です
大阪くらしの今昔館 企画展
大大阪時代に咲いたレトロモダンな着物たち
~北前船(きたまえぶね)船主・大家(おおいえ)家のファッション図鑑~
■開催日時 2019年7月24日(水)~9月1日(日)
こちらで展示されている振袖の刺繍修復を担当させて頂きました
ポスター左上のお振袖です
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写真だとすごく美しい完璧な状態ですが
実際お見積りさせていただいた段階でもう金色の刺繍が取れて取れて
触るとどんどん取れていくという状態でした
なんとかいい状態で展示頂きたく職人ともども奮闘しましたお仕事です。
撮影は私が職人のところへ出向きましたが、画像使用は“大阪くらしの今昔館”さまに掲載許可頂きましたので→画像につきましては流用はご遠慮ください
振袖の金コマ刺繍修復 ご依頼時の状態
一部分を掲載します
左肩部分
青い部分は特に厳しい
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外れている状態
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振袖の金コマ刺繍修復 作業
作業をするには型にはめますので
振袖はかなりの範囲で解いています
解いて
修理部分を型にはめて
作業していきます
朽ちた糸をとっています
裏側から朽ちてボロボロ取れている糸を外していきます
一個一個の作業です
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金コマ刺繍 修復中
朽ちた糸をとったあと
修理していきます
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この小さい部分だけでも糸が取れてるのが伝わりますでしょうか
この感じで1枚の振袖の全体を作業しています
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気の遠くなる修理をしていただいて
なんとか全部の糸を修復できました
職人さんのお力に感謝ばかりです
かなり大変やで!って何度も言われてるのを何とかお願いしてます(汗)職人さん本当に有難うございます
振袖の金コマ刺繍修復 できあがり
はじめにご覧いただいた左上の肩あたりの部分
仕上がりの状態です
金糸は前のままで
金糸を留めている赤い糸で全部留めています
お店での最終チェック時の写真
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これで安心して企画展に間に合って
展示していただくようにお納めさせていただきました
振袖の金コマ刺繍修復 展示
ようやくできあがりの状態をご覧いただけます
会場入り口
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大正から昭和にかけて大切に引き継がれてきた着物たち
「大大阪」と呼ばれた時代の、レトロでおしゃれな雰囲気です
会場はほとんど撮影OKでした
展示されている振袖の写真
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携わらせて頂けたことに有難く嬉しい瞬間でした。担当者様にもいろいろとご配慮下さってご依頼下さいまして誠に有難うございます。
大阪くらしの今昔館 オマケ
8階「モダン大阪パノラマ遊覧」
明治・大正・昭和のフロアで近代大阪の住まいと暮らしを模型や資料で展示。さらに企画展示室では特別展や企画展を開催しています。
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長屋の並ぶ空堀界隈
レトロな模型にほっこりしました
小さいころからなじんでる長屋のある風景。今ではかなり減ってそこにはマンションが…。時代の流れとは言え古き良き下町でいてほしいなぁ。
大阪くらしの今昔館 企画展 大大阪時代に咲いたレトロモダンな着物たち~北前船船主・大家家のファッション図鑑~ 修復まとめ
修復の部分をメインにお話いたしましたが
企画展では、たくさんの着物が見れて楽しいですし
9階「なにわ町家の歳時記」は、江戸時代のフロア。天保初年(1830年代前半)の大坂の町並みを実物大で復元されているので着物でお出かけなさったら、つリアルな江戸時代の街並みの中でポートレート撮影ができる素敵スポットです!
はじめて行って、こういう施設だったの!とびっくりしてきました
企画展も期間が長いです、夏の着物のお出かけにぜひぜひ。オススメです!
大大阪時代に咲いたレトロモダンな着物たち
~北前船(きたまえぶね)船主・大家(おおいえ)家のファッション図鑑~
■開催日時
2019年7月24日(水)~9月1日(日)
午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日
火曜日
■場所
大阪くらしの今昔館 企画展示室
■料金
企画展のみ300円
常設展+企画展 一般:800円(700円)
高・大生:500円(400円)(要学生証提示)
※( )は団体料金
※団体は20名以上
※中学生以下、障がい者手帳持参者、大阪市内在住の65歳以上の方は無料です(要証明書提示