仕立て直し実例|思い出の袋帯を仕立て直して結婚式に受け継ぐ
袋帯の仕立て直しで、家族の想いを未来へつなぐ
■ ご相談のきっかけ
「母の袋帯を、娘の結婚式で使わせてあげたいんです」
そう話してくださったのは、お嬢様のお父様でした。
お母様が黒留袖をお召しになられるのに、袋帯を準備していたら大事にしまってあった帯にほつれを発見されたとのこと。お電話で「部分的に修理できれば、できるだけ修理で。どうしても難しい場合はお仕立て直し必要かもしれません…」とお伝えさせていただいておりました。
袋帯を拝見すると、耳の糸がほつれ、長い年月によるダメージも見られました。
このままでは、せっかくの大切な帯も締めることができません。
でも、諦めなくてもいいのです。
静京では、そんな「もう使えないかもしれない」と思われた帯も、状態に応じて仕立て直すことで、再び美しく装えるようにお手伝いしています。
■ 解決方法:「仕立て直し」で帯が生まれ変わります
今回は、部分的な修理では難しいため、帯をすべて解いて一から仕立て直すご提案をいたしました。
中の芯地も新しくすることで、しっかりとした張りと、しなやかさが戻ります。
職人の手で丁寧に整えながら、帯本来の美しさを活かして仕上げました。
お母様の帯は、お孫さんの晴れの日にふさわしい一本としてよみがえったのです。
■ お直しの流れ
【ご依頼〜見積もり】
ご相談・ご依頼
状態確認
お見積り(費用のご案内)
ご注文確定(お支払い後、作業に入ります)
【制作工程】
店頭受付・帯の状態記録撮影
解く → 洗張(解いて洗う)
職人による仕立て直し(付属品は中に入れる芯地)
仕上がり撮影
完成のご連絡 → お渡し
写真ビフォーアフター掲載
Before:耳がほつれていた帯の状態
5㎝くらいのほつれ
広範囲と長くほつれている状態
芯地は矢印の白っぽい生地、この芯地を入れるので帯の形がキープされます。
After:新品のように美しくなった袋帯
困ったから・よかったへ。綺麗に新しい糸が帯を作り上げます。
■ 帯がつなぐ、未来への贈り物
この袋帯は、お祖母様からお父様へ、そしてお嬢様へと渡される家族の“思いのバトン”。
このバトンが受け渡しできるのは、こうやってご依頼くださったお父様のご家族を想うお気持ちがあるからこそです。帯の状態を見て、どうなるかな、とお調べくださって、実際に店に足を運んでくださいました。それだけでも大変な勇気だと思います。
お店にお越しくださった時も、修理できるかな、どうかなと一緒に拝見しながら、結果、たくさんのほつれを発見することになり、工程やお仕事のこと、そして出来上がったその先のことをお話させて頂きました。
この仕立て直しというお仕事は、素敵な想いを次へ世代へとバトンが渡せることなので、何をお仕事とさせていただいてるかというと愛情の橋渡しをさせていただいてると考えております。
本当に大切で大事な思いを形にするお手伝いを、丁寧に、心を込めて続けています。
そして続けられるのはお客様のお気持ちがあるからで、着物はその愛情で出来上がってるように思います。
皆様どのようにお感じになられましたでしょうか。
お客様の想いが優しさが、ご家族への愛情が伝わりましたら嬉しいです。ご依頼くださいまして誠に有難うございます。心より感謝を込めて。
ご相談はお気軽にどうぞ
お困りごとは、まずご相談ください
「思い出の帯をどうしていいかわからない」
「使いたいけれど、傷みが気になって…」
そんな時は、ぜひ一度ご相談ください。
“着物の困りごと”を、“新しい喜び”に変えていきませんか
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