【リメイク】大島紬の着物のから２本の日傘へリメイク
いつも静京のホームページをご覧くださって有難うございます。
この記事は『大島紬の1枚の着物のから、２本の日傘へリメイク』をご依頼くださいましたビフォーアフターのご紹介をさせていただきます。
シックでモダンなデザインが多い大島紬、かっこよさが際立つお着物です。日傘になるとより一層かっこよいように思いますので、ぜひ最後までご覧いただけると嬉しいです。
リメイクオーダー ビフォー 大島紬の着物
ご依頼くださいましたお着物は、グレーや黒・明るい目のグレーなどシンプルに見えて丁寧に染められた糸を柄の配置に織り上げる絹織物、大島紬の着物です。
大島紬とは、日本が誇る伝統工芸品で、歴史は大変古く約1,300年以上前に作られはじめています。それだけでも驚きですが、手間暇がものすごくかかっている上に、それを作り上げるには大変な熟練の技術が必要です。
大島紬と名乗って良いのは下記の条件があります
- 絹100%である
- 先染手織りである（糸を先に染めてから織る工程のことをいいます）
- 平織りである（経（タテ）緯（ヨコ）糸は一本ごとに浮沈する織物の基本 真っ直ぐな生地の仕上がりです）
- 締機（しめばた）で手作業によりタテ・ヨコ絣の加工をしたもの（大島紬の絣を作る作業）
- 手機（てばた）でタテ・ヨコ絣をカスリ合わせて織り上げたもの（機械ではない！）
この条件を満たした上に検反（反物を検品することです）に通ることの必須です
- 大島紬の一反の長さ 12m50cm（3丈2尺５寸）以上
- 大島紬の一反の重さ 450g以上
- 使用原糸絹繭 約1700~1800個、総長さは1,800km〜2,000km
着物１枚を仕立てるのに必要な生地の長さが12メートルほどだということはご存知でしょうか？上記の１のように12m50cm以上と記載されてますので、この長さを人が織って反物にする訳です。糸を染める工程から、柄を出すための「くくり」←柄の部分には染まらないようにして先にそこを糸で留めておく工程もあります。染めたあとはそこが染まってないので、組み合わせて柄にします。気が遠くなる作業なんです。
そうやって織られた反物、スキッとした平たい軽くて気持ち良い質感です。驚くほどナチュラルな平たさと緻密に織られた生地が着やすさに繋がります。絹糸の吸湿と放湿と保温など高機能の体感、軽やかな肌あたり、着る化粧水のようなお肌に優しさ。
この高機能さと着心地を美しく緻密なデザインで織り上げられてる大島紬。それはそれは貴重なお着物です。着る喜びに溢れること間違いなしです。
裏地の渋めの黄緑色の八掛（裏地のこと）もかっこいいお色がついていて、大地を感じる組み合わせで素敵な大島紬のお着物です。
ですが、着なくても、満足感が最高にあることをここからお伝えできればと思います！
大島紬の着物から日傘へリメイクオーダー アフター
1枚の大島紬のお着物から２本の日傘をご依頼くださいました。並ぶ姿が仲良しです。
レース加工を入れることで生地の取り方に工夫ができるので、複数本おつくりできています。
柄の配置
絶対にご覧いただきたいのが、柄の配置です！
日傘の8面、柄がつながるようにつぎ合わせてるのはお分かりいただけますでしょうか！できるだけですが、生地の繋がり部分を自然に並ぶようには配慮してくれています！職人のこだわりがすごいのです！こういう柄の配置は一番じっくり考えないといけないので、工程の中で意外と時間がかかるのです。妥協ない柄を生かしたお仕事をしてくださる職人さんです。
レースの透け感と柄を楽しんで
いただく素敵な時間
指しているだけでも幸せな気持ちに
レースのお色は生地に合わせて染めてくださってます。
薄いブラウン。地味にならず軽やかで上品な印象になります。
手元はお選びいただけますので、２本それぞれ異なる手元をお選びになられました。タッセルがより高級な雰囲気を引き立ててくれます。
左：竹
右：藤（申し訳ございません、現在は終了いたしました）
日傘の詳細はこちらのページです
お客様のご希望
２本ご依頼いただきましたのは、分け合うことをお考えになられてのことです。
大切なご家族にお揃いの着物日傘。
嬉しい気持ちを一緒に感じられるのは、気持ちが嬉しくあたたかい思いになりますね。
受け継がれたお着物を着ること以外に新しい価値を見出して、日々の生活の彩りになりますように、願いを込めて職人共々お仕事努めて参ります。最後までご覧下さいまして有難うございます。
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